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東京理科大学 理工学部 応用生物科学科

Projects

遺伝子から疾患まで

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​ ヒトゲノムにある遺伝子の半数以上が脳で発現します(80%との報告もあります)。脳の構造と機能の基盤情報は、生命の設計図であるゲノムにコードされています。ポストゲノムシーケンス時代となり、脳の遺伝的な設計図の解明は重要な課題です。そこで我々は脳の発達期において重要な働きをする遺伝子群に着目し、その遺伝子が脳神経の発達、分化、成熟、シナプス形成やシナプス応答、可塑性、さらにはネットワーク形成に至る一連の過程においてどのような役割を持つかを解析することで、脳の発達とその障害の分子基盤を明らかにすることを 目指しています。


 遺伝子の神経発達過程における役割が明らかになることで、神経発達障害をはじめとした様々な神経・精神疾患の発症機序を探る手がかりを得る事が可能になります。

遺伝子機能解析

ニューロン・シナプス・回路発達に関連する遺伝子の機能解析


 脳発達期の時空間的な遺伝子発現パターンを体系的に探索することで(右側のCDT-DBによるデータマイニングを実施)、これまでに知られていなかったり、解析されていなかった脳発達関連遺伝子が多く同定されました。この様な独創的な手法で同定されたこれら遺伝子(CAPS/Cadps, Cupidin/Homer2, p130Cas /Bcar1, very-KIND/Kndc1, Opalin, PLD4など)の機能と発現の詳細な解析は、脳発達の分子メカニズムの解明に大きく貢献するものと期待されます。

 現在、シナプスと回路の発達と機能の分子メカニズムにフォーカスして、各種の脳発達関連遺伝子の機能を分子、細胞レベルから動物行動レベルまで解析しています。

 もちろん、脳発達の分子メカニズムの理解のために、大脳皮質や海馬などの他の脳領域での遺伝子機能の解析も実施しており、広がりをもった研究成果につながっています。 

発達障害解析

精神疾患モデル動物を用いた発達障害の脳科学


 我々は、分泌制御タンパク質の一つであるCAPS2/Cadps2が、シナプスの発達や可塑性に重要で精神疾患にも関連する脳由来神経栄養因子BDNFの分泌の促進作用をもつことを発表しました。また、ヒトの自閉症患者の中に、本来稀な選択的スプライシングによって3番目のエクソンを欠くCAPS2タイプ(deletion of exon3, dex3)を異常に発現すケースを発見し、CAPS2-dex3発現モデルマウスを作製して、dex3の発現が社会行動の減少と不安の増加につながる事も明らかにしました。

​ 自閉症は遺伝要因が強く関与して発症する発達障害で、その発症率の高さ(数%と言われています)から重要な疾患の一つですが、発症機序は明不明です。CAPS2変異マウスを研究することで、脳の発達障害の発症機構が解明できるのではないかと期待しています

遺伝子データベース

小脳発達の遺伝基盤のニューロインフォマティクス


 マウス小脳皮質回路の生後発達の遺伝的基盤の解明を目指して、当研究室はBrain Transcriptome Database, BrainTx(脳トランスクリプトームデータベース)プロジェクトの推進に携わっています。マウス小脳の生後発達ステージにおける時空間的な遺伝子発現(脳発達時系列と脳領域における発現)プロファイルに関する網羅的な実験(マイクロアレイやin situハイブリダイゼーション実験など)データを収集し、オントロジーや文献情報などに基づいたアノテーションをつけてBrainTxに体系化します。

 BrainTxは国際ニューロインフォマティクス統合機構INCFの日本ノードである理研神経情報基盤センターNIJCの認定データベースとして、国内外の研究者・学生に利用されています。

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